【企業様向け】新型コロナ対策情報⑥

 HRニュース特別号その6~代休取得・内定者への対応~

【本日の解説者】

このコーナーでは、人事としての豊富な経験を持つパソナインディア社員が、様々なご質問にお答えさせていただきます。本日の担当は、人事的視点と経営的視点を兼ね備える、Mr. Hari Das Nairです!

名前:Mr. Hari Das Nair
経歴:製造業での人事・労務担当として30年以上の経験を持っています。日系や他外資系企業での勤務経験もありますが、前職はインド系の自動車部品製造企業でVice Presidentとして勤務していました。得意分野は、Organization Transformation, HR Process mapping, Employee Retantion Practice, Employee Engagement等です。


【本日のご質問1~代休~】

・休日出社をした際の代休を消化できていない社員が多くいます。
その社員に対して、ロックダウンの期間を代休扱いにすることは可能でしょうか?
・ロックダウン期間中を代休とみなし、再稼働後に、代休が発生した場合に相殺することは可能でしょうか?

 

【解答】

ロックダウン期間中に代休を取得できるかというご質問ですね。

可否判断の基準になるのが、インド政府からの要請として、「コロナ罹患やコロナによるロックダウンを理由とする休職中は”勤務中”とみなすよう」に指示が出ていること。
つまり、3月25日よりインド全土のロックダウン期間中はon Duty =営業日とみなされる為、代休対象日(振替勤務日)にはしないほうがよろしいかと考えます。
 

 

【本日のご質問2~内定者への対応~】

・オファーを出していた候補者の内定の取り下げ、入社時期の変更は可能か

 

【解答】

法的観点で申し上げれば、雇用契約書とは異なり、オファーレターに法的拘束力がない為、キャンセル、入社時期の変更は可能です。

しかしながら、人事的な観点から申し上げますと、貴社にとって、オファーレターを出された大切な人材に、想定外の困難に直面した状況下で苦渋の選択に至ったことについて、誠意をもって伝えることが望ましいのではないかと思います。

オファーレターの入社日は4月だったが、実際には出勤ができないので、入社日を5月に変更したいという経営者側の意向もわかります。
しかし、入社時期の変更を人事的観点から見ると、入社後のモチベーション、貴社への帰属意識、信頼といったマインドの部分への影響が出てくるのはないかと思います。
また、別の会社に就職を考える可能性もあり、優秀な人材を逃すリスクもあると思います。

その為、可能であれば、当初の約束通りの入社日にSkypeやZoomなどを使って、入社受け入れ(on bording)を実施いただくのが理想です。
その後も定期的にオンライン上で顔を見ながらのコミュニケーションを取ることも信頼関係構築やモチベ―ション維持などに効果があると思われます。


【HR News】

1.雇用主はどのように在宅勤務中の従業員のストレスを和らげる
Heroの会長Pawan Munjal氏は、ロックダウン期間中に10回以上のオンライン会議で4000名以上の従業員に向けて講演を行った。
同氏曰く、「自動車業界が直面している困難な状況を考えると、我々の従業員が抱える不安を理解し、共感を示すことが重要」とのこと。

2.IIM&IIT卒業生も内定を手に不安を抱える
IIM&IITの就職課によると、コロナウィルスの影響で、内定先からの入社日の延期、給与削減、最悪のシナリオとして内定取り消しが懸念されているとのこと。
ただし、情報筋によると、今のところ米系の企業一社が内定取り消しを実施しただけで就職課はバックアップ先への就職支援に動いているとのこと。

3.ロックダウンの副作用:昇給が遅れ、失業への恐れが高まるにつれ、従業員間の不安も高まる
専門家は、現在の状況は組織にとってだけではなく、従業員へかかるストレスも高いと見る。ロックダウンが長引くにつれ、従業員が直面する感情的なチャレンジも多種多様だ。
このような困難な時をサバイブするために、人事リーダーは、従業員を励まし、サポートし、
ビジネスのアップデート、明るい話題、組織がこの状況から抜け出すために取っている行動について、定期に従業員とコミュニケーションをとっている。多くの企業では、従業員のやる気とストレスケアのために特別なオンラインセッションを実施しているようだ。

 

【PASONA HRアドバイザリーサービス】
弊社の人事アドバイザリーサービスの特徴として、30年以上のキャリアを持つ経験豊富なシニアコンサルタントが6名在籍しており、実際の人事経験をもとに、企業様の現在の状況やインド人従業員のマインドセットをよく理解した上で、アドバイスをさせていただきます。
「法的にどうなのか」という視点も大事ですが、「人事的にどうなのか」という視点も欠かすことはできません。やはり、従業員も人間ですので、もちろん心や感情がありますよね。「法的に正しいから」と押し切ることで、人事的な問題はすぐに解決するとは限りません。
弊社の人事アドバイザリーサービスでは、会社ごとに異なるユニークな問題に対して、解決方法を二人三脚で考えさせていただきます。


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