インドのモノづくりの精神、ヴィシュワカルマ神
皆さんは、インドの神様についてご存じでしょうか。インドにはたくさんの神様が存在しています。その中で今回は、とある神様をご紹介します。
日本の「モノづくりの心」とよく言われますが、インドにも「職人魂」のようなものはあります。その名も「ヴィシュワカルマ神」。
ヴィシュワカルマは職人の神あり、神々の職人でもあります。彼は全世界の製図者であり、神々の宮殿の建造者であり、神々の乗り物や武器の製造者でもあります。
ヴィシュワカルマ神には5人の息子がいて、それぞれの子孫が鉄鍛冶、木工職人、真鍮でできた礼拝道具などを作る職人、石工、金銀細工師になったと言われています。原材料ごとに分かれているところが面白いですね。
下の絵はヴィシュワカルマ神の絵ですが、たいていこのように白い髭をたくわえた老年の姿で描かれます。周りを5人の息子が囲み、外側に様々な職人の道具類が描かれています。
ヴィシュワカルマ・ジャヤンティー
毎年9月半ばのヴィシュワカルマ・ジャヤンティー(jayantī:記念日、生誕記念日)の日には、インド各地で職人やモノづくりに携わる人々、工場などが、普段使っている仕事道具などを並べてプージャ(pūjā:礼拝儀礼)を行います。
下の写真は、ある職人の家庭で行われたある年のヴィシュワカルマ・プージャの際の写真です。近所の他の職能の職人さんたちも誘ったため、鉄鍛冶、木工、そして土器作りの道具が並べられています。
職人たちはこの日、モノづくりに携わるものとしての誇りを新たにします。寺院等で祀られることはほとんどない神様ですが、インドで脈々と受け継がれる「モノづくりの精神」を体現した神様です。文化・社会的背景を知ると、日本の職人さんたちもインドの職人さんたちと仲良くなれるかも!?
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